熱に浮かされて書くCDレビュー『GIRLS’ROCK/デーモン閣下 』


 絶賛ヘビーローテーション中です。というか、最近これしか聴いてない。
 女性ボーカルのロックナンバーをデーモン閣下がカバー。楽曲はアンダース・リドホルムプロデュースの下、HR/HM調にアレンジ。

『GIRLS’ROCK』
『GIRLS’ROCK√Hakurai』
『GIRLS’ ROCK ~Tiara~』
『GIRLS’ ROCK Best』
の4枚があります。


 存在は知っていたけど、なかなか手を出せずにいたアルバムたち。
 食わず嫌いを起こしていた理由としては、マンガや小説が実写化されて肯定的な感情を抱いた記憶がほぼない、ということがトラウマになっているのかもしれません……いわゆる原作レ○プ。
 このアルバム群も、原曲をいじくりまわし、あれこれ手を加え、おもしろおかしく原型を歪めてやろう、というアレンジなのかと勝手に思い込んで敬遠してました。いくら閣下といえど、それはどうなんでしょうか、と。

 ゴメンナサイ! とんでもない誤った思い込みしてました!!!

 成層圏を突き抜ける快哉の雄たけびを上げたい。うぉー、これ、めっちゃくちゃいい!
 原曲の良さを尊重し、十分過ぎるほどの敬意を持って歌い、演奏していることがハッキリ分かります。その結果、原曲の世界観を維持しつつ、全く新しいサウンドに生まれ変わっています。ただのアレンジにあらず、閣下というフィルターを通したトレースとでもいうのでしょうか。それでいて全曲、原曲を確実に超えた楽曲になってると思います。原曲を超えてやろう、というようなあざとさは全く感じないのに、結果的に超えてるという感じ。それはせっちーが閣下信者なだけだろ、と言われると返す言葉はありません。
 とにかく、全曲一貫して感じるのは、原曲への敬意!

 中でも、特にお気に入りになった曲をピックアップしてみました。

■DISTANCIA~この胸の約束~(杏子)
メロディーやコード進行に独特の世界観があるなー、と思って調べてみたら、作曲が玉置浩二。なるほど、ううむ、なるほど。妙に納得。間奏からギターソロ、サビに戻る流れを聴いてると身をくねらせてビートを取らずにいられません。せっちーがイヤホンで何か聴きながらくねくね動いてたら、多分これを聴いてます。

■限界LOVERS(SHOW-YA)
SHOW-YAのカッコよさを再認識。せっちー、このたび五十嵐sun-go美貴さんの大ファンになりました。その曲にどれだけハマったかのせっちー的バロメーターとして、自分でコピーしたくなるということがあります。このイントロのギター、めっちゃコピーしたい。うわああああ、ギター弾きたくてたまらない!! 誰かBack to the fire、一緒に絶叫しようぜ!

■私は風~私は嵐(カルメン・マキ&OZ、SHOW-YA)
ただSHOW-YAが好きなだけじゃねぇか、と自分でも思います。鍵盤やギターはもちろんいいのですが、せっちー的にこの曲はベースの世界観です。「ベースはジャンケンで負けたヤツが弾く楽器だからw」、とか思ってるバンド初心者の中学生の胸ぐらを掴み上げてこんこんと説教したい気持ちでいっぱいの私は面倒な中年。

■ダンシング・ヒーロー(荻野目洋子)
原曲も好きなのだけど、ますます好きになりました。アレンジ曲を聴いて、原曲をあらためて好きになるってすごくないですか? どうしようもなく踊りたくなる!

 全編通して言えることだけど、原曲は女性ボーカルなので、歌詞の内容も基本的には女心を歌ったものがほとんど。それを閣下がどう歌いこなしているのか、が聴きどころの一つだと思います。それでいて女心一辺倒に寄せるのではなく、閣下としての世界観は確固として表現されているわけで、これはほんとに素晴らし過ぎる!