勘違い野郎への誘惑に抗う日々


 ありがたいことに、「先生」なんて呼んでいただける機会が多くなりました。畏れ多いことでございます。音楽、特にリズムのことについてはかなりの年月と時間を費やしてきたので、それなりに語れることや、必要としている人に価値ある情報をお伝えできることは多少はあると思います。尊敬する師匠や先輩、ミュージシャン、先生業をされてる方々の多くに比べたら極めて矮小な存在でしかありませんが! 「オマエ如きが何を偉そうにしてやがる」と言われれば、額にアロンアルファを塗りたくった状態でへへぇ~と平伏するしかないのです。
 まぁそこまで過剰に自分を卑下することもないのでしょうが、そんなわたしでも頼ってくださる方がいるのです。そういう方に対しては、大相撲の立会いの如き姿勢で全力で向き合いたいと思います。若干暑苦しかったらごめんなさいね。
 もしわたしに頼りたいという方がいたら、早朝でも深夜でも、いつでも構わないから遠慮なく連絡カモン! いつでも即レス、というわけにはいかないかもしれませんが、必ずご返信いたします!

 それと関連する話ですが、世を忍ぶ仮のエンジニアとしてのお仕事もしています。こちらもありがたいことに、社内SEのようなポジションを頂いております。アルバイトなんですけどね。そんなに大きな会社じゃないので、技術的にはわたしごときがトップみたいな感じになっています。アルバイトなんですけどね。若手エンジニアさんから技術的な相談を受けたり、アドバイスをしたり、バグを解決したりなんてしています。アルバイトなんですけどね。
 そうすると、わたしの言うことを若者たちが「はい、はい」って何でも聞いてくれるんですよ。学生時代から社会人、タップや和太鼓でも、基本的にカーストのド底辺にしかいたことがないわたしにとってこれは人生初のカイザー体験なのです。実にいい気分。えへへー。
 でも。
 これはめちゃくちゃ怖い! これはあれです。いわゆる、叱ってくれる人がいない状態。容易に裸の王様になることができてしまいます。わたしみたいのが裸の王様の勘違い野郎になっちゃったら、もう完全にアウトでしょ。
 自分がはじめて社会に出た時、いまのわたしくらいのポジションや年齢の人がどんな感じだったか、そしてそんな人たちを自分がどんな目と心で見ていたかを思い返します。いや、めっちゃ怖くね?

 音楽にしてもエンジニアにしても、自慢しようって話じゃないんですよ。いや正直に白状するなら、ちょっとくらいはしたいですけどもー。技術的に自分よりすごい人なんていくらでもいるということは嫌というほど思い知ってるので、怖くて自慢なんてできません。ただ、わたしももうそういうお年頃になってしまったのねー、と嬉しさと哀しみの狭間で揺れ動いているのです。
 
 尊敬される人になんかなれなくてもいいから、なんかちょっと面白い人だな、くらいにはなりたいな。もしわたしが独善的な言動をとりはじめたら、誰かこっそり教えてください。

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