モノからコトへ。参加型音楽祭「アンサンブルズ東京」


 音楽家・大友良英ディレクションによる誰もが参加できる参加型の音楽フェスティバル『アンサンブルズ東京』に参加させていただきました。会場は東京タワー。出演は、UA+稲葉俊郎、坂本美雨とCANTUS、芳垣安洋とOrquesta Nudge! Nudge!、大友良英スペシャルビッグバンド、プロジェクトFUKUSHIMA!の皆さま。
 せっちーは『芳垣安洋とOrquestaNudge!Nudge!ワークショップ』の一部として、タップで参加させていただいてしまいました。

アンサンブルズ東京POP

アンサンブルズ東京POP


 芳垣さん指揮の下、音が出れば何でも(楽器でなくても)OKのリズムアンサンブル。ドラム、コンガ、ボンゴなどといった王道リズム楽器はもちろんのこと、呼び方の分からない外国の民族楽器、一斗缶や茶壷、ブーブー風船、デスボイスの人までもが集結した、かなりカオスな空間。そんな我々をまとめてくださる芳垣さんのコンダクトがまさに神業でした。

「オマエ如きのタップで、よくそんなところにホイホイ出ていけるな。この命知らずが」
という叱咤激励、罵詈雑言、揶揄嘲弄は多々あろうかと思いますが、一つ残らずありがたく甘受いたします。その経験をどう己の血肉にしていくかはせっちー次第でございます。

 最近、モノからコトへのパラダイムシフトみたいなことをよく目にします。
 アンサンブルズ東京は、まさにコトとしての音楽イベントでした。音楽を、受動的に『聴く』ものではなく、能動的に『体験』することとして位置づけるという感じでしょうか。

 参加型というイベント形態のため、基本的に誰でも参加可能。ただし、2日間のワークショップへの参加が必要。まずは、渋谷のレッドブルスタジオにて行われたワークショップに参加いたしました。なんとエナジードリンクのレッドブルが飲み放題!

レッドブルが飲み放題!

レッドブルが飲み放題!

 指揮者のいるリズムセッションという感じでした。

芳垣さんワークショップの風景

芳垣さんワークショップの風景


 指揮者である芳垣さんの繰り出すハンドサインには「ビート刻んで」「前の人の真似して」「自由にソロ」等々の意味があり、その瞬間瞬間のフィーリングで次々とハンドサインが提示されるというものでした。とはいえ、基本はアイコンタクト。目を逸らさず能動的に参加するべしです。
ハンドサインの数々

ハンドサインの数々


 初めての形態でしたが、とても楽しかったです。1セッションで20分~40分くらい。あっという間。
 『ロック』セッションとか『ファンク』セッションというくくりではなく、『音の出るもの』セッションなので、皆さんの持ち込み機材が本当にユニークでした。一般的な音楽セッションで、楽器としての一斗缶を見ることはまずないでしょう。

 ワークショップは2日間。タップダンサーを名乗れるほどワイルドな心臓の持ち主ではないので、初日の雰囲気を見て、もしも自分のタップがあまりにも場違いな感じだったらドラム的な何かにチェンジしようと思ってました。逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ。

 結果、タップで大正解!

 ある程度、自分の思い通りの音が出せるモノで参加すれば、万事極めて無難に過ごすことができるでしょう。でもそれじゃ面白くないじゃないですか。
 芳垣さんからのブリーフィングで印象的だった言葉。
「日和ることなく、しっかり音を出すこと。ズレててもいい、ヘンな音でもいい。別に正確さを求めてるわけではないし、そもそも正解も間違いも無い。どんな音でもいいから、日和らずに『自分』を出すこと」

 よし、低次元は低次元なりに、自信を持って低次元な自分を出せばいいのだ! 2日間のワークショップ、心のスイッチをガツンとトップギアに押し込んで臨み、自分なりの手応えを感じることもできました。

 そして迎えた本番。

芳垣安洋とOrquestaNudge!Nudge!ワークショップ

芳垣安洋とOrquestaNudge!Nudge!ワークショップ

 しっかり日和ってしまいました。ちっくしょーーー!!!

 即興性にはしっかり乗った上で、大雑把にこんなことをしよう、と策を練っておいたのですが、ほんの一瞬、場の空気を読み違えた動揺から萎縮してしまいました。リカバリーのチャンスは得られず、自己採点するなら100点満点中、10点くらいでしょうか。
 前日のワークショップでは出来てたのに、というのは言い訳にもならぬのです。
 あー、日和ったー。悔しい。技術的なことがどうこうではなく、精神的に「置き」にいってしまったことが悔しい。その悔しさこそ何よりの経験です。あぁ悔しい。

 せっちーのポンコツぶりだけではなく、楽しかったことも。
 東京タワーなんて、こんな機会でもない限り来ることはないので、ここぞとばかりタワー内を練り歩きました。

図解東京タワー

図解東京タワー

 東京タワーたい焼き。

180円。良心的お値段

180円。良心的お値段

 入口受付ロビー前で、クラウントムさんがショーをされていたので、ちびっ子達を押しのけて食い入るように拝見いたしました。バルーンアートのぶどうを作ってもらっちゃいました。えへへー、やったー。

ちびっ子に譲る気ゼロ

ちびっ子に譲る気ゼロ

 本番前には、参加者全員で東京タワー内をパレードしました。皆さん、楽器で思い思いの音を出している中、せっちーは一生懸命ステッキを回してましたよ。

 「プロジェクトFUKUSHIMA!」からは、活動のシンボル、Fukushima!大風呂敷ワークショップが参加。まさに会場の一部となって敷き詰められていました。坂本美雨とCANTUSの皆さんは、まさにこの風呂敷の上で美麗なボイスアンサンブルを聴かせてくださいました。まさに参加型イベントでした。

Fukushima!大風呂敷ワークショップ

Fukushima!大風呂敷ワークショップ

 ご興味のある方は2018年の「アンサンブルズ東京」へぜひぜひ~!

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