東京造形大学テキスタイル卒業制作展2013レポ

『東京造形大学テキスタイル卒業制作展2013』に行ってきました。

東京造形大学テキスタイル卒業制作展2013のPOP

東京造形大学テキスタイル卒業制作展2013のPOP

染め物や傘、帽子、ワンピースなど、様々な作品が展示されていました。どの作品も「表現したい」という想いに満ち溢れていて、非常に強い感銘を受けました。

特に、風呂敷の作品が心に残りました。柄の一つ一つに込めた意味や想いが、製作者の方の解説とともに添えられており、「そうそう、そういうところを見て欲しいんだよな!」と心の中で膝を打っていました。線一本、点一つ、微妙~な色の濃淡、作り手は全てに何らかの意味を持たせているのです。白無地のキャンパスに、白い絵の具で何かを描くことにも、ちゃんと意味はあるのです。
でもそれが伝わらないことはよくあります。伝わらなければ意味が無いというのは紛れもない正論であることは百も承知ですが、たとえ伝わらなかったとしても、そこには何らかの作者の想いが込められていると思うのです。そんな風に考えると、風呂敷一枚に宇宙を感じたりしませんか?

言葉とデザインの融合をテーマにした作品もたいへん興味深く拝見しました。母音と子音、濁音、半濁音など、日本語の文章や文字そのものが持つ要素を最小単位まで分解し、その要素を一定のルールに従ってデザイン(模様?)に描き起こす。
僕はそういう解釈をしたのですが、正しい理解の仕方だったのでしょうか。しばらくじーっくりと眺めていたのですが、それで正解なのかどうかの確証は最後まで得られませんでした。でもその発想には心服いたしました! 日本語の文章を、色や形や大きさに変換することができるなんて! 聴覚と視覚が一つの次元に融合されているって、なんだかワクワクしてきませんか?

メインのお目当ては【Toy People】。

お目当ての作品【Toy People】

お目当ての作品【Toy People】

遊び心と、小粋な笑いの要素に溢れた世界でした。立体的なストーリーが表現されているのですが、メインのストーリーよりも、ちょっと脇道に逸れたサブストーリーの方に想像力をかきたてられました。悲喜こもごもや、生々しい人間社会の縮図も感じたりしました。
あ、コイツは真っ先に死ぬキャラだ。こういう抜け駆けするカップルっているよなー。コイツの逃げ方は絶対に正しくないけど、ぼくはそういうアホが好きだ。

非常時にこういう抜け駆けするカップルっているよね

非常時にこういう抜け駆けするカップルっているよね

みたいな。見ていて全然飽きないです。全体の躍動感や迫力、Toy Peopleの愛くるしい外見も大きな魅力のポイントだと思います。でもそれだけではなく、Toy People一人ひとりのストーリーに思いを馳せると、何時間でも眺めて脳内劇場を楽しめる作品だと思いました。僕は、この中にベヘリットが一個潜んでいることを想像して楽しんでしまいました。正しい楽しみ方かどうかは分からないのですが…。ゴジラのフィギュアが混ざってたらどうか、ラオウのフィギュアが混ざっていたらどうか、Toy Peopleの一人にジャック・バウアーという名前を与えたらどうか……想像力がどんどんかきたてられませんか?
素晴らしいインプットをたくさんいただきました。どうもありがとうございました。
出展者の皆さま、ご卒業おめでとうございます!

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