さきたま古墳群と15分に感じた2時間半
友人に誘われて、さきたま古墳群に行ってきました。
その名の通り、古墳がいくつも連なるこの場所は、古墳好きにはたまらないスポットらしい。わたしも歴史好きを自称する者としてロマンを感じに行こうと意気込んでいたのですが、実際のところ、今回のハイライトは古墳そのものではなく、友人との時間でした。
車で片道2時間半。普通ならちょっと長いと感じるはずの移動時間が、なぜか15分くらいに思えるほどあっという間でした。その理由は明白――友人とのトークが面白すぎたからです。
古墳に関する豆知識を披露するかと思えば、突然「今までで一番微妙だった観光地」ランキングを発表し始める。その内容に笑ったりツッコんだりしているうちに、気づけば目的地に到着していました。
わたしが「楽しい!」と感じるのは、きっと相性がいいとか、話題が豊富だからだけではない。友人がその場の空気を作り上げ、楽しい時間を「創造」してくれているからこそ、楽しいのだと気づかされました。わたし一人では、この2時間半は永遠のように感じられたかもしれません。でも友人と一緒だと、歴史ロマンよりも時間の流れそのものがドラマチックになる。
そして、さきたま古墳群。
実際に目の前にした古墳は、写真で見るよりも圧倒的な存在感がありました。「こんなものを作った昔の人たちは、いったいどんな気持ちだったんだろう」と、思わず遠い時代に思いを馳せました。でも同時に、「これ、ドローンで撮ったら絶対インスタ映えするね」などという無粋な言葉で現実に引き戻される。そのギャップもまた、楽しい。
帰り道も、やっぱり15分に感じる2時間半。友人と車内で喋っていると、時間が消える。いや、正確には「時間が圧縮されていく」という感覚です。
友人がいて楽しいというのは、ただ単に相性の問題ではなく、その友人が「楽しい時間」を作ってくれるからだということを改めて実感しました。2時間半の移動を15分に感じさせる友人――そんな魔法使いのような存在に感謝しかありません。そして、次はわたしがその魔法をかける番だと思うのです。
さきたま古墳群の歴史ロマンに感動しつつ、2時間半を15分に変える友人の力にひたすら感謝する一日でした。