電車の連結部で遭遇した非日常。ゴールデンウィークの余韻に

ゴールデンウィーク。人々が旅行や帰省に胸を弾ませる中、わたしは電車に揺られていた。車内は満員で、人々のカバンや肩が微妙に触れ合う、あの混雑特有の空気感。そんな中、わたしはふと連結部に目をやり、そこで信じられない光景に出くわした。

おじさんが立っていた。いや、厳密には「立ちながらションをしていた」。

連結部という選択肢を思いつくその発想力にまず驚き、そして「なぜ、どうして?」と頭が真っ白になる。電車の連結部は、電車という乗り物の脈動をどこよりも強く感じ楽しむ場所であり、同時に何も起こらない空間であるべきだ。その聖域で、おじさんは無言のまま独自の「開放感」を表現していたのだ。

わたしはその場から目を逸らし、何事もなかったかのように前を向いた。だが頭の中ではこの出来事がぐるぐると駆け巡っていた。耳には液体の飛び散る無規則な音が届き続けている。「これがゴールデンウィークのリアルか…」と、妙に納得してしまう自分が悔しい。

人生には予期せぬ瞬間が訪れる。それは例えば、連結部でションをするおじさんと遭遇するというような、説明がつかない非日常だ。この出来事に意味があるのかはわからない。だが、その不可解さこそが、ゴールデンウィークのスパイスなのかもしれない。

みなさんのゴールデンウィークが平和で幸せなものであるよう祈っています。そして、もし同じような場面に遭遇したなら、ぜひこう考えてほしい。「人生、いろいろなのだ」と。

連結部のおじさん――彼もまた、何かしらの幸せなゴールデンウィークを過ごしているのだ。その意図を深掘りしようとするよりも、ただ「そういうこともある」と受け入れる心が、この季節を乗り切る鍵なのだろう。

皆さんに幸あれ。そしておじさんにも、風のような自由な幸せが訪れますように。

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