和太鼓を長く叩いていると、途中で急に動けなくなったり、後半になるほどフォームが崩れたりすることがあります。そういうとき、多くの人は「自分は体力が足りないのだろう」と考えますが、実際にはそれだけではない場合があります。和太鼓では、同じ曲を同じ時間叩いていても、身体の使い方しだいで消耗の仕方がかなり変わるからです。無駄な力みや姿勢の崩れがあると、本来いらないところにまでエネルギーを使ってしまい、必要以上に早くバテやすくなります。長く動けるようになりたいなら、鍛えることと同じくらい、無駄を減らすことにも目を向ける価値があります。
バテやすさは体力不足だけではない
和太鼓は全身を使うので、ある程度の持久力が必要なのはたしかです。ただ、長く叩けない理由をすべて体力不足で片づけてしまうと、改善しやすい部分を見落としやすくなります。実際には、必要以上に肩に力が入っている、足元が安定せず上半身で踏ん張っている、呼吸が浅くなっている、といったことが重なって、余計に疲れている人も少なくありません。
たとえば、同じ10分の練習でも、ある人は最後まで動きが保てるのに、別の人は途中で腕が重くなり、姿勢も崩れていくことがあります。この差は、筋力や根性だけでは説明しきれません。身体のどこで支え、どこに無駄な緊張があるかによって、使うエネルギーの量が変わるからです。つまり、バテやすさは「どれだけ頑張れるか」だけでなく、「どれだけ無駄なく動けるか」とも関係しています。
無駄な力みが消耗を増やす
和太鼓では、大きな音を出したい、しっかり叩きたいという気持ちから、つい全身に力が入りやすくなります。ですが、必要な場面以上に力み続けると、そのぶん消耗も増えます。特に起こりやすいのが、肩が上がる、首が固まる、腕で全部を何とかしようとする、といった状態です。
こうなると、太鼓を叩くための動きだけでなく、姿勢を保つためにも余計な力を使うことになります。さらに、力んだ状態では呼吸も浅くなりやすく、動きの切り替えもぎこちなくなります。その結果、演奏そのものに使いたい体力まで無駄に消費してしまいます。本人は一生懸命やっているのに、実際には「必要な頑張り」と「不要な頑張り」が混ざっているのです。バテやすい人ほど、この不要な頑張りがどこにあるかを見直すことが大切です。
効率のよい身体の使い方とは
効率のよい身体の使い方とは、楽をすることではありません。必要なところでしっかり支え、不要なところでは力みすぎないことです。和太鼓でいえば、足元が安定し、骨盤や体幹で体を支えられていると、肩や腕だけで無理に頑張らなくて済みます。すると、同じ動きをしていても、一部の筋肉に負担が偏りにくくなります。
また、効率がよい動きでは、フォームの再現性も高まりやすくなります。毎回似た条件で打てるため、音や姿勢が乱れにくく、崩れを立て直すための余計なエネルギーも減ります。反対に、土台が不安定なまま叩いていると、毎回少しずつバランスを取り直すことになり、その積み重ねが疲労につながります。長く動ける人は、特別に体力があるだけでなく、こうした無駄の少ない使い方ができていることが多いのです。
ピラティスがスタミナ感を変える理由
ここで和太鼓と相性がよいのが、ピラティスの考え方です。ピラティスは、体幹や骨盤まわりを整えながら、呼吸と動きをつなげていくエクササイズです。見た目は静かでも、身体をどう支え、どこに余計な力が入っているかに気づきやすくなるという特徴があります。
和太鼓でバテやすい人は、体力そのものより先に、身体の使い方に無駄があることがあります。ピラティスで姿勢や重心、呼吸の感覚が整ってくると、上半身だけで踏ん張る場面が減り、動きの流れが少しなめらかになります。その結果、同じ時間動いても「前ほど後半で崩れにくい」「息が上がるのが少し遅くなった」と感じやすくなることがあります。これは急にスタミナが増えたというより、エネルギーの使い方が整理されてきたからです。だからこそ、持久力の悩みに対して、ピラティスは遠回りではなく、土台から見直す方法として意味があります。
長く動ける身体を作るには
長く叩けるようになるために必要なのは、ただ根性で練習量を増やすことではありません。もちろん、ある程度の体力づくりは大切です。ただ、それと同時に、どこで無駄に消耗しているのかを知ることが欠かせません。肩や腕に余計な力が入っていないか、呼吸が止まっていないか、足元や体幹で支えられているか。こうした点を見直すだけでも、疲れ方は変わりやすくなります。
和太鼓は、力強さが魅力の楽器です。しかし、長く動ける演奏は、力を増やすことだけで生まれるわけではありません。むしろ、無駄を減らし、必要な力を必要な場面で使えることのほうが、本番や長時間の練習では大きな差になります。持久力を鍛える視点に加えて、身体の使い方を整える視点を持つことが、結果として安定したスタミナにつながっていきます。
まとめ
和太鼓で長く叩くとバテるとき、その原因は体力不足だけとは限りません。無駄な力みや姿勢の崩れがあると、同じ動きでも必要以上にエネルギーを使い、早く消耗しやすくなります。ピラティスは、体幹や呼吸、重心の使い方を整えることで、そうした無駄を減らし、結果として長く動きやすい身体づくりを助けます。持久力の悩みを「もっと鍛えなければ」で終わらせず、「どうすれば無駄なく動けるか」という視点で見直すことは、和太鼓をより気持ちよく続けるために役立ちます。長く動ける身体は、ただ頑張って作るものではなく、うまく使えるように整えていくものでもあります。
東京都東村山市の「美鼓ピラ」では、身体の使い方の無駄を減らし、効率よく動ける土台をピラティスで整えています。後半にバテやすいとお感じの方も、まずは体験レッスンからどうぞ。