まじめに練習しているのに、思ったほど手応えがない。教わったことを意識しているつもりなのに、なぜか動きに結びつかない。和太鼓を続けていると、そんなもどかしさを感じる時期があります。こうした停滞感は、技術やセンスの問題だけで起きるとは限りません。実は、姿勢や呼吸、重心といった「身体の土台」が整っていないことで、練習の成果が身体に入りにくくなっていることもあります。今回は、和太鼓の上達を妨げやすい見えにくい要素として、身体の土台に目を向ける意味を、ピラティスとのつながりも交えながらお伝えします。
練習しているのに伸びにくい時
練習量はそれなりにあるのに、なかなか上達している実感が持てない。前より打てるようになった部分もあるけれど、全体としては伸びが鈍い。そんな時、多くの人はまず「まだ技術が足りないのだろう」と考えます。
もちろん、技術の積み重ねは必要です。ですが、同じことを教わっても、すぐに身体に落とし込める人と、頭ではわかっているのに動きになりにくい人がいます。この差は、理解力だけでなく、身体の受け皿が整っているかどうかでも生まれます。
たとえば、構えた時点で重心が不安定だったり、呼吸が浅くなっていたり、肩や腰に余計な力が入っていたりすると、先生のアドバイスを受けても、それをうまく再現しにくくなります。練習しているのに伸びにくい時は、努力不足ではなく、努力が通りにくい状態になっている可能性があります。
技術以外に見直したいもの
和太鼓の上達というと、バチの軌道、リズム、フォーム、強弱のつけ方など、目に見える技術に意識が向きやすいものです。もちろんそれらは大切ですが、実際にはその前に見直したいものがあります。それが、身体の土台です。
身体の土台とは、特別な筋力のことではありません。立った時の安定感、呼吸のしやすさ、骨盤の収まり、足裏で床を感じられているか、といった基本の部分です。こうした土台が不安定だと、動きそのものに余計な調整が必要になります。
たとえば、足元が落ち着かない人は、腕を振るたびに体全体でバランスを取り直すことになります。呼吸が浅い人は、力を入れる場面で身体が固まりやすくなります。技術以前の部分に無理があると、せっかくの練習も効率よく積み上がりにくくなります。
身体の土台があると吸収が変わる
身体の土台が整ってくると、同じ練習でも吸収のされ方が変わりやすくなります。なぜなら、身体が余計なことで忙しくなくなるからです。立つこと、支えること、呼吸することに無駄な力がいらなくなると、そのぶん教わった動きに意識を向けやすくなります。
たとえば「もっと下半身で支えて」と言われた時、土台が不安定なままだと、何をどう変えればよいのか分かりにくいことがあります。ですが、足裏の感覚や骨盤の位置がある程度つかめていると、支えるとはどういうことかを身体で理解しやすくなります。
これは、練習量を減らすという話ではありません。むしろ、これまで積み重ねてきた練習を無駄にしないために、通り道を整えるという考え方です。身体が受け取りやすい状態になると、同じ一言のアドバイスでも入り方が変わってきます。
呼吸・姿勢・重心の関係
身体の土台を考えるうえで、特に見直したいのが呼吸、姿勢、重心の三つです。この三つは別々ではなく、互いに影響し合っています。
まず呼吸が浅いと、胸や肩まわりに力が入りやすくなり、構えが硬くなります。姿勢が崩れていると、呼吸もしづらくなり、重心も偏りやすくなります。さらに重心が左右や前後に流れていると、立っているだけでどこかに余計な負担がかかり、動きのたびに補正が必要になります。
和太鼓では、構えて、打って、戻るという流れの中で、この三つが安定していることがとても重要です。呼吸がしやすく、姿勢が無理なく保てて、重心が落ち着いていると、打つ動作も自然につながりやすくなります。反対に、このどこかが崩れていると、フォームを直してもすぐ元に戻ってしまいやすいのです。
上達の通り道を整える
ここで相性がよいのがピラティスです。ピラティスは、ただ身体を鍛えるというより、自分の身体がどう支えられているか、どこに力が入りすぎているか、どこが使えていないかに気づきやすくしてくれます。
たとえば、骨盤の位置を感じる、足裏の重さの乗り方を確かめる、呼吸に合わせて体幹を安定させるといったことは、和太鼓の土台づくりともつながっています。派手な練習ではありませんが、こうした見えにくい部分が整うと、教わったことを身体で再現しやすくなります。
和太鼓とピラティスは目的が違うようでいて、「身体の中心を整えて、動きを無理なく引き出す」という点ではよく似ています。上達しにくさを感じる時ほど、技術を足すことだけでなく、その技術が通る身体の状態を整えることに意味があります。
まとめ
練習しているのに上達しにくいと感じる時、原因は技術不足だけとは限りません。姿勢、呼吸、重心といった身体の土台が不安定だと、教わったことが身体に入りにくくなり、努力のわりに手応えが薄くなりやすいからです。逆に、土台が整うと、同じ練習や同じ指導でも吸収しやすさが変わってきます。和太鼓の上達を焦る時ほど、目立つ技術だけでなく、その土台に目を向けることが、結果として努力を無駄にしない近道になります。
東京都東村山市の「美鼓ピラ」では、技術だけでなく姿勢・呼吸・重心といった土台から見直すレッスンを行っています。練習しているのに伸び悩みを感じている方は、体験レッスンでご相談ください。